私たちは、設立以来40年近く、
たくさんの障がいのある方と出会い、その人生を一緒に歩んできました。
彼らは、言葉や数字の認識が苦手だったり、
コミュニケーションの取り方が違っていたりはするものの、
それ以外は、私たちと何も変わらない、普通の人。
私たちは、そのことをこの目で見て、実感しています。
しかし、彼らは
障がいがある、というたった一つの理由だけで、
既存の社会の仕組みや慣例、現在の福祉サービスの枠組み…
誰かが決めた「尺度」の中で
本来ならば全ての人が持っているはずの、
職業の選択や居住の選択など、さまざまな自由が、
「福祉」という小さな枠組みの中に、制限されてしまっているという現実。
だからこそ、私たちは障がいのある方のたくさんの可能性を知る、
その「当事者」として、この現状を変えていきたい。
障がいのある・なしに関わらず、
全ての人が、その人らしい社会貢献価値を発揮し、
自分らしい人生を、自由に謳歌できる社会をつくるために。
私たちは、その旗印となって、
今ある福祉サービスや支援のあり方はもちろん、
働き方や社会の仕組みなど、さまざまな角度から現状に向き合い、
そこに新しい価値を創造し、その取り組みを世界に広げてまいります。
仕事をする意味…それは、自身の強みや才能を活かしながら、
その人の持つ貢献価値を発揮し、
その対価として、報酬はもちろん、
仕事のやりがいや、たくさんの人からの感謝の言葉などを得ていくこと。
そうやって得た対価をもとに、
自分のライフスタイルや生き方、価値観を築いていく…
仕事は、自分らしい人生を歩む大事な礎となっています。
しかし、障がいのある方は、本来持っている貢献価値すら、
障がいがあるという理由だけで、気づいてもらえないまま、
その価値を発揮する機会が制限されているのです。
本当は、もっと価値を発揮できる場があるはず。
たくさんの人が、彼らの発揮する価値を必要としているはず。
私たちは、今の障がいのある方が直面する状況を変えていくために、
障がいのある方、一人ひとりが持つ才能や強みに注目しながら、
その人が価値を発揮できる仕事の仕組みや、新しいビジネスモデルをつくることで、
全ての人が、仕事を通じて自己実現できる社会を創造していきます。
そして、彼らの貢献価値を世の中に発信することで、
多くの人が、その価値を実感し、
一緒に仕事をしたくなる仕掛けをつくっていきます。
福祉という言葉の、本来の意味は「しあわせ」や「豊かさ」。
「しあわせ」や「豊かさ」は、最低限度の生活ができることではありません。
自分が目指す理想の暮らし・仕事…
自己を実現することこそが、
本当の「しあわせ」であり、「豊かさ」ではないでしょうか?
しかし、現状、障がいのある方は、
「仕事ができない」「一人暮らしなんてできない」という偏見や固定観念から、
この自己実現の機会すら、奪われているのです。
だからこそ、私たちはまず、
彼らが学んだり、生活したりしている日々の様子や、
仕事に取り組みながら、社会に貢献している事例など、
福祉に携わる人間だからこそ知る彼らの姿を、
もっとたくさんの人に知っていただくために、情報発信を行うことで、
「できない」という間違った偏見や固定概念を取り除きます。
そして、その偏見や固定概念から生まれた
障がいのある方の自由を奪う、世の中のルールや基準を根底から変え、
「全ての人が自己実現できる社会」という新しい価値を創造していきます。
現状、障がいのある方が
地域社会との接点を持つ機会は、決して多くはありません。
それは、障がいのある方が
福祉サービスという限られた世界の中で暮らしているからに他なりません。
だからこそ、地域で暮らす方は、
障がいのある方のことを知らず、どう接していいかわからなくなってしまう。
そのことが、ますます障がいのある方と地域の間に
さらなる壁をつくる結果となっているのです。
一方、過疎の地域など、
人材不足からなる社会インフラの衰退も大きな課題となっており、
地域社会を担う新たな人材の確保が急務となっています。
そこで、私たちは行政等と連携をとりながら、
障がいのある方が福祉分野や医療分野など、
地域生活に不可欠なさまざまな領域で活躍することで、
地域生活を豊かにする新しい取り組みの実施や
ボランティアや慈善事業だけでなく、障がいのある方と手を取りあうことで、
地域で暮らす方にも、プラスになる仕組み・サービスの構築など
障がいのある方と、地域を結ぶ新しいシステムや社会の基盤を築き、
それを世界中に発信することで、
障がいのある方たちと、地域に住む方々との接点をつくり、
地域も豊かにする…そんな共存共栄できる社会づくりを目指していきます。